キャリアコンサルタントとキャリアコーチの違いは?国家資格と確かめ方
結論
「キャリアコンサルタント」は職業能力開発促進法に定められた国家資格で、試験に合格して登録した人だけが名乗れ、登録は5年ごとの更新、業務で知った秘密を漏らさない義務があります。
「キャリアコーチ」は民間の呼び名で、名乗るのに国家資格は要りません。民間の資格や研修を受けたコーチも、独自の経歴のコーチもいます。
有料のキャリアコーチングを選ぶときは、担当者がどちらなのか、どんな経験があるのかを無料相談で確認しましょう。
キャリアコンサルタントとキャリアコーチは何が違う?
キャリアの相談に乗る人の呼び名には、「キャリアコンサルタント」「キャリアカウンセラー」「キャリアコーチ」「キャリアトレーナー」などがあります。このうち、法律で定められた国家資格は「キャリアコンサルタント」です。
| 比べる点 | キャリアコンサルタント | キャリアコーチ |
|---|---|---|
| 根拠 | 職業能力開発促進法 | 法律上の定めはない(民間の呼び名) |
| なり方 | キャリアコンサルタント試験に合格し、名簿に登録(第30条の19) | 会社や団体ごとの基準(民間資格・研修など) |
| 更新 | 登録は5年ごとに更新(第30条の19第3項) | 会社・団体ごと |
| 義務 | 信用失墜行為の禁止、秘密保持義務(第30条の27) | 会社の規約・契約による |
| 名乗る制限 | 資格のない人は名称や紛らわしい名称を使えない(第30条の28) | 特になし |
| 主な活躍の場 | 公的窓口、企業の人事、学校、民間サービス | 民間のコーチングサービス |
法律では「キャリアコンサルティング」をどう定めている?
職業能力開発促進法第2条第5項は、キャリアコンサルティングを次のように定めています。
労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと
つまり、仕事選び、働き方の計画、能力の伸ばし方について相談に乗り、助言・指導をすることです。キャリアコーチングがしていることと重なる部分は多く、実際に民間のキャリアコーチングでもキャリアコンサルタントの資格を持つ人が担当していることがあります。
名乗るための条件と、守らないといけないことは?
職業能力開発促進法の条文(e-Gov法令検索)から要点をまとめます。
- 登録:キャリアコンサルタント試験に合格した人が、厚生労働省のキャリアコンサルタント名簿に登録を受けて、キャリアコンサルタントになります(第30条の19第1項)。
- 5年ごとの更新:登録は5年ごとに更新を受けないと効力を失います(第30条の19第3項)。
- 信用失墜行為の禁止:キャリアコンサルタントの信用を傷つけたり、全体の不名誉になったりする行為をしてはなりません(第30条の27第1項)。
- 秘密保持義務:業務に関して知った秘密を漏らしたり盗用したりしてはなりません。キャリアコンサルタントでなくなった後も同じです(第30条の27第2項)。
- 名称の使用制限:キャリアコンサルタントでない人は、キャリアコンサルタントという名称や、それに紛らわしい名称を使ってはなりません(第30条の28)。
キャリアの相談では、勤め先の内情、家族のこと、収入など、人に言いにくい話をすることが多くなります。秘密保持が法律上の義務になっている点は、国家資格の大きな特徴です。
「コーチ」は資格がなくても大丈夫?
「コーチ」という呼び名に国家資格はありません。だからといって質が低いとは限らず、民間のコーチング資格や会社独自の研修を受けたコーチ、人事・採用の実務経験が長いコーチなど、さまざまな人がいます。逆に言えば、肩書きだけでは質が分からないので、次の点を確認するのがおすすめです。
- 資格:国家資格キャリアコンサルタントか、民間のコーチング資格か、ほかにあるか。
- 経験:自分が相談したい業界・職種・年代の支援経験があるか。
- 研修と品質管理:会社としてコーチをどう育て、どう評価しているか。
- 指名・変更:合わないときにコーチを変えられるか。
- 秘密の扱い:相談内容や録画の扱い、退会後の削除。
聞くことの一覧は無料カウンセリングで聞くことチェックリストにまとめています。
無料で国家資格のキャリアコンサルタントに相談できる?
公的な窓口では、無料でキャリアコンサルティングを受けられます。
- キャリア形成・リスキリング支援センター:ジョブ・カードを使ったキャリアコンサルティングを無料で提供(全国47都道府県に拠点)。
- ハローワーク:教育訓練給付(専門実践・特定一般)の前に必要な訓練前キャリアコンサルティングを、訓練対応キャリアコンサルタントが担当。
- ジョブ・カード制度総合サイト:無料のキャリアコンサルティングを受けられる場所を案内。
使い分けは無料のキャリア相談で足りるケースで詳しく説明しています。
国家資格の有無で、相談の進め方は変わる?
キャリアコンサルタントもキャリアコーチも、相談者の話を聞き、考えを整理する点では共通しています。ただ、相談の進め方には傾向の違いがあると言われます。
キャリアコンサルティングは、法律の定義のとおり「相談に応じ、助言及び指導を行う」ことです。情報提供や助言も含めて、職業選択・職業生活設計・能力開発を支援します。公的窓口では、ジョブ・カードを使って経験を整理し、職業や学び直しの情報を提供することもあります。
コーチングは、一般に、答えを教えるより質問で本人の考えを引き出し、目標と行動計画を本人が決めることを重視します。毎回の宿題や、行動の記録・振り返りで、数か月かけて行動を続ける支援をするサービスが多いのはこのためです。
もっとも、実際のサービスではこの境目ははっきりしていません。キャリアコンサルタントの資格を持つコーチが、コーチングの手法で伴走することもありますし、コーチが職業情報を提供することもあります。大事なのは、自分がほしいのは「情報と助言」なのか、「考えを引き出して行動を続ける伴走」なのかを自覚しておくことです。
「情報と助言」がほしいなら、無料の公的窓口でかなり得られます。「伴走」がほしいなら、有料のコーチングを比べる価値があります。どちらか迷うときは、両方の無料相談を一度ずつ受けて、自分に合う進め方を確かめてください。
相談相手の資格は、どうやって確かめる?
無料相談では、担当者に「キャリアコンサルタントの資格をお持ちですか」と直接聞いてかまいません。資格を持っている人は、登録の有無を説明できるはずです。会社のサイトにコーチの紹介ページがある場合は、資格・経歴・専門分野を事前に読んでおくと、相談の時間を有効に使えます。資格がないこと自体は問題ではありませんが、どんな経験に基づいて助言するのかは、契約前に確認しておきたい点です。
有料のコーチングを選ぶとき、資格はどのくらい重視する?
資格は「最低限の知識と倫理のルールを守る人か」を見る目安になります。一方で、キャリアコーチングの価値は、毎回の対話の質と、宿題や振り返りで行動を続けられるかにも左右されます。
おすすめは、無料の公的相談(キャリアコンサルタント)と、民間の無料相談(コーチ)の両方を一度ずつ受けて比べることです。違いを体感すると、有料にお金を払う理由があるか、自分で判断しやすくなります。向き不向きはキャリアコーチングは意味ない?、求人紹介との違いは転職エージェントとの違いもあわせてどうぞ。
よくある質問
- キャリアコンサルタントは国家資格ですか?
- はい。職業能力開発促進法で、キャリアコンサルタント試験に合格し、厚生労働省のキャリアコンサルタント名簿に登録した人がキャリアコンサルタントになると定められています(第30条の19)。
- キャリアコーチは資格がなくても名乗れる?
- 「コーチ」「キャリアコーチ」という呼び名に国家資格はありません。一方、資格がない人が「キャリアコンサルタント」やそれに紛らわしい名称を使うことは禁じられています(第30条の28)。
- 相談内容の秘密は守られる?
- キャリアコンサルタントには、業務で知った秘密を漏らしたり盗用したりしてはならない義務があり、資格者でなくなった後も続きます(第30条の27)。民間のコーチの場合は、会社の規約やプライバシーポリシーで扱いを確認してください。
- 公的窓口と民間のコーチング、担当者の違いは?
- 公的窓口はジョブ・カードを使ったキャリアコンサルティングを行っています。民間のコーチングは会社ごとにコーチの基準が違うので、資格・研修・経歴を確認するのが確実です。
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出典・確認した情報
- e-Gov法令検索 職業能力開発促進法(第2条第5項、第30条の19、第30条の27、第30条の28)(2026-11-01確認)
- 厚生労働省 キャリア形成・リスキリング支援センター(2026-11-01確認)
- 厚生労働省 ジョブ・カード制度総合サイト(2026-11-01確認)
- ハローワークインターネットサービス 教育訓練給付制度(訓練前キャリアコンサルティング)(2026-11-01確認)
- ポジウィルキャリア 公式(2026-11-01確認)