副業・独立のキャリアコーチングは使うべき?料金と注意点
結論
副業・独立を扱うコーチングは、「何を・どの規模で・いつ始めるか」を決めて行動を続ける支援には役立ちますが、収入を保証するものではありません。
「受講すれば仕事を紹介する」「稼げる」とうたって講座や教材の費用を払わせる取引は、特定商取引法の業務提供誘引販売取引にあたる場合があり、書面を受け取ってから20日以内ならクーリング・オフできます。
SHIFT6やBtap(RYOMEI)など副業・独立も扱うサービスは、料金が公式で確認できなかったため、無料相談で総額と返金条件を書面で確認してください。
副業・独立のキャリアコーチングでは何をしてくれる?
副業や独立を考える会社員向けのコーチングは、主に次のことを支援します。
- これまでの経験から、副業・独立で生かせる強みを言葉にする
- 何を・どの規模で・いつ始めるかの計画を立てる
- 会社員の仕事と両立できる時間の使い方を決める
- 行動を記録し、続けられるように振り返る
大事なのは、コーチングは収入を保証するものではないという点です。SHIFT6は公式で全額返金保証について「この保証は、目標の達成や効果そのものを保証するものではありません」と明記しています。「必ず稼げる」と断定するサービスがあれば、その根拠を確認してください。
副業・独立も扱うサービスは?公式で確認できたことは?
| サービス | 公式で確認できたこと | 料金 |
|---|---|---|
| SHIFT6(株式会社Rin) | 6か月・面談6回(月1回・60〜90分・Zoom)+AIによる日々のチェック(3か月のSHIFT3、12か月のSHIFT12もあり)。対象に転職・キャリアの転機・独立・法人化・副業・新しい目標など。無料相談30分(受講を断る場合あり) | LPは「無料相談で」。特商法表記にSHIFT3 540,000円/SHIFT6 780,000円/SHIFT12 1,480,000円(税込) |
| Btap(RYOMEI) | 35歳以上を専門に支援。自己分析中心の「Re:Design」、転職支援、独立・副業支援の3系統のコース。無料キャリア相談・初回無料体験 | 公式で確認できず |
| キャリパト(株式会社Your Patronum) | キャリア戦略設計・実践プログラム(各5回・60分・90日間) | 330,000円(入会金込み) |
SHIFT6の全額返金の条件は、契約期間を完了したうえで、①日々のチェックの記録率9割以上、②面談に全回出席(認められた振替を含む)、③すべての月で日々の行動の達成率7割以上、④終了時の自己評価(10点満点)が開始時より上がっていない、の4つをすべて満たすことです。申請は契約終了日の翌日から14日以内で、中途解約などは対象外とされています。条件が細かいので、契約前に読み込んでおきましょう。
「仕事を紹介するから講座を買って」は何が問題?
副業の分野で注意したいのが、仕事の提供をうたって、講座・教材・機材などの費用を払わせる取引です。特定商取引法はこれを業務提供誘引販売取引として規制しています。
消費者庁の特定商取引法ガイドによると、業務提供誘引販売取引は「仕事を提供するので収入が得られる」という口実で消費者を誘い、仕事に必要だとして商品などを売り、金銭的な負担を負わせる取引です。法律(第51条)では、販売・提供される商品や役務を使う業務で利益が得られると示して誘い、その業務を事業者自身が提供またはあっせんし、費用の負担(特定負担)を伴う取引とされています。
消費者庁があげる例には、次のようなものがあります。
- 販売されたパソコンとソフトで行うホームページ作成の在宅ワーク
- 購入したチラシを配布する仕事
- 研修で身につけた技能を使う入力の在宅ワーク
「コーチング」「スクール」という名前でも、受講料を払わせたうえで、その技能を使う仕事を紹介すると約束する形なら、この取引にあたる可能性があります。
業務提供誘引販売取引なら、どう解約できる?
消費者庁のガイドによると、業務提供誘引販売取引は、法律で定められた書面を受け取った日から20日以内なら、書面または電磁的記録で契約を解除(クーリング・オフ)できます。事業者が事実と違うことを告げたり、威迫して困惑させたりしたために期間内に解除しなかった場合は、20日を過ぎても解除できる可能性があります。解除の通知は、特定記録郵便や内容証明郵便など、記録が残る方法で送ると安心です。
通常のキャリアコーチングの解約の考え方は、解約・返金と特定商取引法で説明しています。
副業・独立のコーチングを選ぶときのチェックポイントは?
- 収入を約束していないか:「月〇万円稼げる」と断定する説明には根拠を求める。
- 仕事の紹介と費用がセットになっていないか:セットなら、紹介される仕事の内容・単価・実績を書面で確認する。
- 総額と支払方法:入会金込みの総額、ローンを使う場合の支払総額(分割払いの注意)。
- 返金条件:期限、条件、中途解約の扱い。
- 会社の就業規則:副業の可否と届出のルールを先に確認する。
国民生活センターは、無料のセミナーや面談のつもりが高額な契約になった相談事例を紹介し、その場で契約しないよう呼びかけています。副業の分野でも、無料相談のあとに「今だけ」の条件で決断を迫られたら、いったん持ち帰ってください。
副業を始める前に、会社員として確認しておくことは?
副業・独立のコーチングを申し込む前に、会社員として確認しておきたいことがあります。ここを押さえておくと、コーチングの時間を「何をするか」に集中させられます。
- 就業規則の副業ルール:副業が認められているか、届出や許可が必要か、競合する仕事の禁止があるかを確認します。ルールは会社ごとに違うので、人事部や就業規則で確かめてください。
- 使える時間:平日の夜、週末など、副業に使える時間を週単位で書き出します。会社の仕事が忙しい時期も考えておきましょう。
- 使えるお金:コーチングや講座の費用、必要な機材など、副業を始めるのにかけてよい上限を決めます。最初から高額な講座や教材にお金をかけるより、小さく試してから投資する方が損は少なくなります。
- 税金の手続き:副業で所得が出ると、確定申告が必要になる場合があります。詳しくは税務署や国税庁の情報で確認してください。
これらを確認したうえで、「何を副業にするか決めきれない」「計画を立てても続かない」という課題があるなら、コーチングを使う意味があります。逆に、やりたいことが決まっていて行動もできているなら、コーチングにお金をかけるより、その分を副業の準備に回す方が合理的な場合もあります。
コーチングと講座、どちらにお金を使う?
副業・独立の準備では、「考えを整理して計画を立てる」ためのコーチングと、「技能を身につける」ための講座やスクールの、どちらにお金を使うか迷うことがあります。何をやるかが決まっていないならコーチングや無料相談が先、やることが決まっていて技能が足りないなら講座が先、と考えると整理しやすくなります。講座の中には教育訓練給付の指定講座もあるので、学び直しの費用を抑えたい場合は講座検索システムで確認してみてください。
まず無料でできることは?
副業・独立の方向性を考える前に、今の仕事で生かせる経験を棚卸ししておくと、どのサービスを使うにしても話が早くなります。ジョブ・カードの作成や、キャリア形成・リスキリング支援センターの無料相談が使えます(無料のキャリア相談で足りるケース)。学び直しが必要なら、経済産業省のリスキリング支援事業や教育訓練給付も確認してください。
40代で副業から独立を考える場合は40代のキャリアコーチング、辞めるかどうかで迷う場合は退職するか迷うときの判断もあわせてどうぞ。
よくある質問
- 副業のためにキャリアコーチングは必要?
- 必須ではありません。何を副業にするか決まっていて、行動を続けられるなら不要です。何を始めるか決めきれない、会社員と両立する計画を立てたい、という場合に使う意味があります。
- 「受講したら案件を紹介します」という講座は大丈夫?
- 仕事の提供をうたって講座・教材などの費用を負担させる取引は、特定商取引法の業務提供誘引販売取引にあたる場合があります。法定書面を受け取った日から20日以内ならクーリング・オフできます。契約前に、紹介される仕事の内容と実績を書面で確認してください。
- SHIFT6の料金はいくら?
- LPでは「詳細は無料相談で」とされていますが、特定商取引法に基づく表記にSHIFT3=540,000円/SHIFT6=780,000円/SHIFT12=1,480,000円(税込)と記載されていました(2026年11月1日確認)。6か月・面談6回(月1回・60〜90分)で、条件を満たすと全額返金という保証があります(中途解約は対象外)。
- 会社に副業がばれたら困る?
- 副業の可否や届出は会社の就業規則によります。コーチングを受ける前に、就業規則で副業のルールを確認しておきましょう。
あわせて読みたい
出典・確認した情報
- 消費者庁 特定商取引法ガイド「業務提供誘引販売取引」(2026-11-01確認)
- e-Gov法令検索 特定商取引に関する法律(第51条)(2026-11-01確認)
- SHIFT6 公式(2026-11-01確認)
- SHIFT(株式会社Rin)特定商取引法に基づく表記(2026-11-01確認)
- Btap(RYOMEI)公式(2026-11-01確認)
- 国民生活センター 無料セミナーからの高額契約の注意喚起(2025年3月11日)(2026-11-01確認)
- 経済産業省 リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業(2026-11-01確認)